cGMP説明 Part 3!(現行製造適正規範)の概要
以下は米国食品医薬局(FDA)の法令にある21 CFRを日系アメリカ人二世が出来るだけ分かりやすく翻訳・意訳した物となります。
ソース元:
0:cGMPで抑えるべきポイントとは?(目次)
今記事では5-6を説明していきます。
cGMPは以下で構成されています。
- 人員
- 工場、および敷地
- 衛生的な運用
- 衛生施設の維持と管理
- 使用機械、および使用機具
- プロセス、および管理
- 倉庫保管、および流通
- 動物向け食品の為に使用する人向け食品からの副産物の保管と流通
- 欠陥に対する品質管理業務
上記1-2部分(Part 1)の説明記事はこちらから:
上記3-4部分(Part 2)の説明記事はこちらから:
1:使用機械、および使用機具
1:施設内に配置する機器に関して:
- A 食品の製造、加工、梱包、または保管に使用されるすべての機器、および調理器具は、適切に洗浄できるよう設計され、また、アレルゲンの交差接触を防ぐ為に適切に維持されなければならない。
- B 機器、および調理器具は、潤滑剤、燃料、金属片、汚水、またはその他の汚染物質の食品への混入を防ぐ、適切な設計、構築がされており、その様に使用しなければない。
- C 機器類は、その隣接する空間の清掃と衛生維持が可能な状態で設置すること。
- D 食品接触機器は食品接触時に防腐状態でなければならない。
- E 機器の食品接触部分は毒性のない材料で作られ、その使用目的から脱した使用がされない事(食品以外への使用)。また、適格な洗浄、消毒手順に耐えられる設計でなければならない。
- F 機器の食品接触面はアレルゲンの交差接触や違法な食品添加物などによる汚染源から食品を保護するよう維持しなければならない。
- 機器の食品接触面の継ぎ目は、食品の残留物や汚れ、および有機物の蓄積による微生物の繁殖、またアレルゲンの交差接触の可能性を最小限に抑える為、滑らかに結合され、その維持に努めなければならない。
- 機器類で食品との接触はないが、製造・加工、梱包、または保管対象区域に設置されている物は衛生的に考えられた設計・構築がされてなければならない。
- 重量測定、空気圧、自動開閉、運搬、製造などのシステムはすべて適切な衛生基準に沿った設計・構築が、そして維持がなされてなければならない。
- 食品の保管に使用する各冷蔵・冷凍室は正確な温度を表示する、温度測定機器の設置をしなければならない。
- 温度、pH、酸性度、水分活性、または食品中に存在する微生物の測定、調整、または記録をする為の機器類は適切な数量、衛生状態、使用と維持がなされてなければならない。
- 機器により、機械的に食品に接触する、圧縮空気またはその他のガスは、食品がそれにより間接的に違法な添加、または汚染されないよう処理しなければならない。
2:プロセス、および管理に関して
1:全般:
- すべてのオペレーションにおいて(食品の製造・加工、梱包、保管、受け取り、検査、輸送、分別作業まで)、適切な衛生原則に従わなければならない。
- 食品が人の消費に適している事、また食品包材が安全で適切であることを保証する目的で適切な品質管理業務を採用しなければならない。
- 施設全体の衛生管理は各機能の責任を割り当てられた、1人以上の適正者の監督の下、行わなければならない。
- 食品の製造において、その手順がアレルゲンの交差接触、または汚染の発生を防ぐため、適切な予防策を講じなければならない。
- 衛生不備、アレルゲンの交差接触、または食品汚染の可能性を特定する為の科学的検査、微生物検査、異物検査は必要に応じて使用されなければならない。
- 異物の混入や汚染が確認された食品は、例外なく取り除くか、適切な汚染に対する処理、または処分しなければならない。
2:原材料、およびその他原料に関して:
- 原材料、およびその他原料は衛生的であり、食品の加工に適していることを確認する為、必要に応じて検査の必要があり、また、アレルゲンの交差接触および食品汚染を最小限に抑える為、適切な分別と保管の必要がある。土や他の汚染物質がついている可能性のある原材料は必ず洗浄し、汚染物質を取り除かなければならない。
食品の洗浄に使用する水は適切な衛生品質のものと限る。アレルゲンの交差接触、食品の汚染レベルを高めない限り、洗浄に使用する水は再利用が可能。 - 原材料・その他原料は、人間の健康に害を及ぼす微生物が含まないか、製造時に低温殺菌やその他の効果的な処理を行う必要がある。
- アフラトキシン、またはその他の天然毒素による汚染の影響を受けやすい原材料・その他原料は完成食品に組み込まれる前に毒物、または有害物質に関するFDA規制に準拠する必要がある。
- 食品の製造に以下の材料を使う場合、FDA規制に準拠しなければならない。
- ・原材料・その他原料、
- ・害虫の内在の可能性のある原料
- ・望ましくない微生物が内在する可能性のある原料
- ・外来物質による汚染の可能性がある原料
- 原材料・その他原料、および再加工品はアレルゲンの交差接触、および食品汚染から保護を目的とした設計・構築された容器で保管、また、保管物質が汚染されないよう適切な温度、湿度の中で保管しなければならない。
また、再加工を予定している材料には、再加工用と識別し、分別しなければならない。 - 冷凍された原材料・その他原料は冷凍されたまま保管されなければならない。使用前に解凍の必要がある場合は、その他の原材料・原料と混同しないよう行わなければならない。
- 液体、または乾燥した原材料・その他原料をバルクの形で受け取った物はアレルゲンの交差接触や異物汚染から保護する形で保管しなければならない。
- アレルゲンである原材料・その他原料、またはアレルゲンを含む再加工品は交差接触を防止する目的で識別し分別し保管しなければならない。
3:製造業務に関して:
- 機器、調理器具、食品容器は適切な状態を維持するため、必要に応じて洗浄・消毒を行わなければならない。また、機器の完璧な洗浄を行う為、定期的に分解し洗浄する必要がある。
- すべての食品製造・加工、梱包、保管はアレルゲンの交差接触、微生物の増殖、食品の汚染、および食品の劣化の可能性を最小限に抑える条件下で管理されなければならない。
- 望ましくない微生物の急激な増加の可能性を秘めている食品には製造・加工、梱包、保管を適切な温度帯の中で行う必要がある。
- 望ましくない微生物に破壊、または成長を防止する為に行われる、滅菌、照射、低温殺菌、調理、冷凍、冷蔵、pH制御、水分活性制御は製造時、取り扱い時、または流通時に適切に行わなければならない。
- 製造途中、または再加工が必要となる食品はアレルゲンの交差接触、汚染、および望ましくない微生物の増殖から保護しなければならない。
- 完成食品がアレルゲンの交差接触、原材料・その他原料、または廃棄物による汚染から保護する為の適切な対策を講じなければならない。原材料・その他原料、または廃棄物が適切な処置のもと分別されていない場合、受け入れ、荷積み、または出荷エリアでの同時作業は行ってはならない。また、コンベヤーによって運送される食品はアレルゲンの交差接触や異物混入による汚染から保護されている環境が保たれていなければならない。
- 原材料・その他原料、製造途中、または再加工品の製造・加工、梱包、および保管に過程で使用される機器、調理器具、保管容器はアレルゲンの交差接触や異物汚染から保護する方法で保持しなければならない。
- 食品に金属またはその他の外来物質が混入しないよう適切な対策を講じなければならない。
- 食品、原材料、およびその他の原料が粗悪品だった場合;
- A 他の食品への汚染を防ぐ方法で廃棄処理する
- B 粗悪品を改修する場合は以下が必須条件となる
- i 効果が証明されている方法を使用しての改修
- ii 改修後、再検査された食品がFDA規制の定義で適切である事
- 食品に対するあらゆる処理(洗浄、剥離、整理、切断、すり潰し、脱水、冷却、細断、乾燥、泡立て、脱脂、形成、選別、検査等)においてアレルゲンの交差接触、および異物汚染から保護されている方法で行わなければならない。
- 望ましくない微生物の成長が可能な食品に対して熱湯処理を行うに場合、適切な温度への加熱と時間の保持、その後、急速な冷却、または即座に次の製造工程に移さなければならない。また、熱湯処理に使用する機器類は好熱性微生物の増殖や汚染を最小限に防ぐ為、適切な温度帯での使用と定期的な洗浄および消毒を行わなければならない。
- ねり粉、パン粉、ソース類、ドレッシング類などの長期にわたって、繰り返し使用を目的とした食品はアレルゲンの交差接触、異物汚染、および望ましくない微生物の増殖を最小限に抑える処理とその維持が必要となる。
- 重鎮、組み立て、包装、およびその他の食品製造作業はアレルゲンの交差接触、異物汚染、または望ましくない微生物の増殖から保護される方法で行わなければなりません。
- 水分活性(aw)の制御に依存しなければならない、ドライミックス、ナッツ類、中性水分食品、および脱水食品などは望ましくない微生物の増殖を防ぎ安全な水分レベルに加工し、維持しなければなりません。
- pH制御に依存しなければならない、酸性食品などは望ましくない微生物の増殖を防ぐため、pH値4.6以下に維持するよう監視しなければならない。
- 氷が食品と接触する場合において、その氷の生成に使用される水はcGMPの規範に沿った水源から作らなければならない。
Part 4では「倉庫保管、および流通」と、
「動物向け食品の為に使用する人向け食品の副産物の保管と流通」の説明をしていきます。
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